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兵庫県神戸市東灘区本山南町7丁目3-15
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何らかの事情で歯を失ってしまった場合、その機能を取り戻すためにできることとしてまず挙げられるのが「インプラント治療」や「入れ歯治療」であることが多いと思います。当院ではそれに加え、第3の方法として「歯の移植」をご提案することがあります。そもそも不要な親知らずを抜歯し、失ってしまった部分に移植します。
「移植」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?心臓移植や腎臓移植、角膜移植など、医科で行われるものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は、歯科にも同じような移植という治療があります。名前を「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」といい、お口の中で、噛み合わせに機能していない歯を移植する治療法です。
歯の移植は、一度抜歯した歯を新しい場所で機能させる治療法です。どうしてそんなことが可能になるのでしょうか。その一番のポイントは、健康な歯の周囲に存在する「歯根膜(しこんまく)」です。
歯は骨の中に埋まっています。その骨と歯をつなぐ組織が歯根膜です。この歯根膜は、歯の根の全体を覆うように存在していて、その中には再生能力の高い細胞がたくさん含まれています。ただ、再生する必要がない状況では、この細胞は眠っているのが普通です。そこに歯の移植という刺激を与えることで、再生能力を持つ細胞を活性化させるのです。その効果をねらい、健康な歯を移植する際には、その周囲に存在する歯根膜も一緒に移植します。
活性化した細胞では、骨をつくる細胞(骨芽細胞)や、歯ぐきと骨が結合するのに必要な細胞(セメント芽細胞、線維芽細胞など)が通常の6倍以上の勢いで増殖します。この結果、歯を支える組織(歯周組織)も再生し、移植した歯と周囲の骨をつなげられるというメカニズムが働きます。
健康な歯の周囲にある歯根膜の中の再生能力の高い細胞の存在によって、歯の移植は実現するのです。
歯の移植(再植/自家歯牙移植)は、ただ歯を埋め込めばいいというわけではありません。
では、「歯の移植が成功した状態」とは、どんな状態なのでしょう。
成功の基準には大きく2つのポイントがあります。
歯根膜が再生能力を発揮することは非常に重要です。移植の際に健康な歯の周囲の歯根膜がはがれてしまうことがあるからです。
そうすると、歯根膜の細胞が足りないために骨と歯がうまく結合できず、不自然にくっついて「癒着」しまいます。こうなるとあごの骨が歯根を異物と認識して、体から排除しようと歯根を溶かしていってしまいます。まるで乳歯が抜けるようなイメージで移植した健康な歯が抜けてしまいます。
とは言っても、歯根が溶ける速度は非常にゆっくりで、抜けてしまうまでには10年くらいかかるケースがほとんどです。移植した歯が10年機能するという意味では成功とも考えられるのではないでしょうか。
「移植した歯」と「移植する側の歯茎」をしっかり合わせることや、「移植した歯」を周りときちんと固定することも重要です。
歯茎の封鎖や固定が甘い場合、歯根膜の再生能力が発揮できません。
歯の移植は、自分の歯を移植する治療です。そのため、体の抵抗が起こりづらく移植後も安定しやすいという特徴があります。
しかし、歯の移植(自家歯牙移植)は外科手術をともなう治療ですから、実際に移植した歯の寿命や生存率など、どれだけ長持ちするかについて心配なさる方も多いでしょう。たしかに移植した後は、ご自身の健康な歯と同じくらいの頻度ですが、小さなトラブルが起こる可能性は否めません。
しかし、「移植した歯が抜け落ちない」「移植した場所にしっかりと留まっている」という観点でいえば、歯の移植の5年生存率は90 %(Tsukiboshi M, 2002)です。インプラントの5年生存率は95%(Fugazzotto et al, 2004)ですので、インプラントと同等の生存率だと考えていただきやすいです。
インプラントと歯の移植(自家歯牙移植)を10年単位で比べた場合、10年以上の長期的視点でお考えになるのであれば、インプラントのほうがより高い生存率で寿命が長いとデータからもわかります。ただ当院では、いきなりインプラント治療をご選択いただくよりは、歯の移植のほうが、失った歯を補う治療の第一の選択肢としてより良いのではと考えております。それは精神的負担を軽減できたり、ご自身の歯と同じように噛めたりなど、患者さんにとってメリットが大きいからです。
歯の移植を選べばさまざまな負担を減らせます
気をつけなければならないこともあります
この2つの条件をクリアしていれば、健康保険を適用して歯の移植を受けていただけます。費用のご不安がある方は当院にご相談ください。
サイズが合っておらず骨の増生が必要だったり、すでに抜歯を済ませてしまっているという場合は、残念ながら保険を適用できません。そうした場合には、自費治療で歯の移植を受けていただくことが可能です。当院での費用についてはお尋ねください。
まずは患者さんのお口の中の状態を検査するために、レントゲン撮影を行います。
当院では歯科用CTを導入していますので、歯の埋まっている位置、骨の厚み、血管の位置などが3次元的に把握できます。
移植先の歯がまだ抜けていない場合は抜歯し、その抜いた後の歯茎ができあがるまで1ヶ月程待ちます。
移植する歯は歯茎で動かないよう固定するため、歯茎が必要になるからです。
移植元の歯(主に親知らず)を抜き、歯を移植します。
この際に移植先の歯茎と歯を、糸・ワイヤーを用い2週間ほど固定します。
オペから1日後に消毒を行います。
オペから約1週間後に糸とワイヤーの除去を行います。
一度抜いた歯のため、歯の神経の治療が必要になります。オペから2週間後から複数回行い、数ヶ月様子を見ていきます。
オペから数ヶ月後にその後の状態チェックを行います。
しっかり固定され、問題がなければ最終的なかぶせ物を入れ、メンテナンスで様子を見ていきます。
3~6ヶ月に1回、定期検診で見ていきます。
但し、ケースによって術式は変わることがあります。詳しくは担当医とのご相談になります。
当院では、歯の移植を行った直後から、固定期間を設けています。その期間は目安として1ヶ月ですが、実際はケースバイケースで、あまり長く固定しすぎると、骨と歯が不自然にくっついてしまう(癒着)可能性もあります。そのため、移植後の傷の状況をしっかりと把握し、患者さんごとに固定期間を定めることが大切なのです。
歯の移植の治療を行う際は麻酔をかけます。そのため痛みを感じることはありませんが、外科処置であるために、術後に痛みや腫れが多少あるかもしれません。また、「かなり前に抜歯した場所への歯の移植」を行った場合は、移植する場所を確保するために、骨を削る必要があります。すると痛みが大きくなってしまう可能性もありますので、その場合は痛み止めを飲んでいただき、痛みをやわらげることが多いです。
当院ともご相談いただいた上で、何らかの理由により歯の移植を行わないことになっても、歯を失った部分の機能を取り戻すためには以下のような方法があります。患者さんに適した方法をご提案いたします。
ブリッジとは、欠損歯の代わりとなる人工の歯を、両隣の歯にかぶせる被せ物と一体で作ったものです。両隣の歯を土台にすることで人工歯を支える治療になります。
天然歯や現在の被せ物(クラウン)が歯の頭から折れて歯根だけが歯ぐきの中に残っている場合や、歯ぐきの中に歯根が埋まっていたりするケースは、一般的に抜歯と言われることがあります。そのような場合に、針金とゴムを使って歯ぐきの中の短い歯根を引っぱり、廷出された歯根の頭を使って被せ物をしていくのがMTMという治療方法です。
当院で詳しく診査・診断させていただきますのでご相談下さい。
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